(株)カズ・ドリームプロジェクト
―現代版組踊推進協会 加盟団体紹介 その5―
南会津町の事業として行われた平田大一氏の講演会を通して、何事にも保守的な風調のこの町でも「子供が変われば大人も変わる、そして地域も変わる」これを実現させたい、という平田さんと代表下村の想いから最初のワークショップを開催。
肝高の阿麻和利、鬼鷲などの舞台を一部体験させて頂き、2010年に『息吹~南山義民喜四郎伝』の初演を迎える。東日本大震災以降は県内は元より沖縄県や埼玉県などでの公演を開催し、福島県の現状や活力ある姿をアピールすべく活動を継続中。
メンバー達は、穏やかで和気あいあいの雰囲気であり、それぞれに上を目指しつつフォローし合える良い関係で稽古に励んでいます。
(株)カズ・ドリームプロジェクト(福島県南会津町/2009年~)
演目紹介
現代版組踊「息吹~南山義民喜四郎伝」
今から約300年前の1720年秋 南山御蔵入領(現在の南会津全域と近郊を含む石高55000石の幕府直轄地)の農民達が一揆を起こした。年々厳しくなる年貢に加え、幕府からの数々の要求を突きつけられた事に農民達は限界を感じた。代表47人が下郷枝松の岩穴に集結、相談し百姓800余人が田島代官所を取り囲んだことからこの騒動が始まった。当時ご法度とされていた農民から直接幕府へ要望を届ける『直訴』為す術をなくした農民代表が幕府へ届けたの訴状に書かれた要求は、高率年貢の引き下げ、年貢の江戸廻米の中止、年貢金納のむらへ米納強制の反対、小穀割の新雑税の廃止、郷頭制の廃止。民の暮らしを困窮から救うべく直訴するも、幕府側も一歩も引かず、幕府の取り調べに恐怖を感じた村の民達も処罰を恐れ直訴に同意した事実はねじ伏せられ『惣百姓の代表』という大義名分は崩れてしまう。一揆を策謀したとして1722年に一揆の首謀者として名主3名と百姓3名は見せしめの為、斬首の刑に処せられた。しかし、その後百姓達の願いは幕府も認めざるを得ない物であるとされ、年貢の江戸廻米の廃止、年貢金納への米納強制の廃止、新雑税の廃止など、要求が実現されたのある。喜四郎をはじめとする6名の死は決して無駄ではなかった。これら犠牲となった方々は、今も奥会津の人々によって『南山義民』と讃えられ郷土の誇りとして、代々語り伝えられている。
メンバー紹介
地元の高校3年生5名を中心に、南会津町内の小中高校生と、これまでの活動を通して一緒に良い舞台を作りたい、と参加してくれる大阪狭山市の小中学生を含む約30名での活動です。
公演の際には地元太鼓保存団体の高校生3名も舞台に華を添えてくれます。メンバーの持ち味は、まさにそれぞれ個性際立ちますが『和やかに、とにかくみんなで楽しく気持ちよく稽古したい』という高校3年生のムードが全体に生きています。
非常にユニークなマイペースさの個性を持つメンバーの存在も、うまく融合して味のある『息吹』の舞台を創り上げているといっても過言ではありません。これからもそんな息吹らしさを生かしながら活動して行きます!!
今後の目標
震災以降、福島の復興への想いを胸に県内・県外へと発信して参りました。今後は更に、地元はもちろんの事、全国へもっともっと南会津を、福島を発信していきたい。そして、「現代版組踊」が新しいジャンルとして確率し、全国的に広がっていくよう、現代版の一チームとして発信していきたい。
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